2年前へタイムスリップ~凍てつく玉座の騎士団編~
2017/8/11にハースストーンの新拡張凍てつく玉座の騎士団が発売されました。PVでは騎士団のボスであるリッチキングがblizzard社内を潜入したりして発売前から盛り上がってました。今ではお馴染みとなったヒーローカードや生命奪取が登場したのもこの弾です。ウンゴロ環境ではアグロドルイドや海賊ウォーリアが大流行してたためヒーローカード変身する暇ないだろwと事前評価されてました。しかし蓋を開けてみると発売前評価とは大違い。スタンダード落ちするまで(~2019/4)の間ゲームバランスを常に支配する程のパワーがある拡張となりました。ある意味HSの冬は2年間続いたともいえるでしょう・・・
前回
~補足~
・騎士団のスタンダード落ち(以降スタン落ち)は2019/4を指す
・文中の当時とは騎士団環境(2017/8~2017/12)を指す
・デッキ紹介の数字は当時筆者がランク戦のデータです
・ワイルドカードには公式データベースに飛べるリンクを用意しました
(目次)
デッキ紹介
1位:ドルイド
29.9%(1091/3647)
翡翠ドルイド
13.3%(485/3647)
当時は下記の通り
練気2マナ上昇
野生の繁茂2マナ
滋養5マナ
拡がりゆく虫害5マナ
ウンゴロ環境でも翡翠ドルイドはアンチコントロールポジションとしても活躍してました。しかし育てる速度が遅い事から海賊ウォーリアやアグロドルイドに勝てずTier2ポジションでした。しかし拡がりゆく虫害と究極の侵蝕が登場した事によりドルイドは最強の座を手にしました。ミニオンを展開してきたら・・・
(Googleでドルイド虫害で検索した画像)
終わってしまうのだ。
アグロが駄目ならコントロールで戦おうとするものは
強力カードと言われた炎の大地のポータルに+3マナで5ドローと5装甲が付くのは普通にヤバイ。盤面だけ見たら10マナで5ダメージ+5装甲+5/5召喚はあまり強くないかもしれません。しかし5ドローで拡がりゆく虫害か魔蝕の病霜マルフュリオンが引ければ複数の挑発ミニオンを召喚され相手はトドメを刺す事が出来ません。アグロもコントロールもダメならどうするか・・・?
ドルイドはドルイドで対抗するしかないのだ
ウンゴロ末期(2017/7月頃)に翡翠ドルイドがヤバイ!とユーザー間で話題になりblizzardが対策として用意した待ち伏せのガイストは全く役に経ちませんでした。理由は翡翠の偶像をデッキから破壊した所で他の翡翠カードが止められないため1マナ10/10クラスのミニオンが複数召喚されてコントロールしきれないからです。当時Tierリストで有名だったtempostormのTier表もこの時だけはTier1の上のTierSを設けました(ランプドルイドとマリゴスドルイドはドルイドがヤバイ事を伝えたかっただけに表示させた説)
※コラ画像ではないです
こうなったらドルイドばかりで確定除去が自然への回帰しかない事から拡がりゆく虫害と一緒に召喚すれば効果が通りやすい終末予言者、3マナで10/10クラスのミニオンを奪える精神支配技師と言ったカードが採用され始めました。流石に世紀末環境過ぎて
練気が1マナ上昇
拡がりゆく虫害6マナ
にバランス調整されましたが拡がりゆく虫害と究極の侵蝕が強すぎてドルイドは2018/12(天下一ヴドゥ祭)までほぼTier1に君臨し続けました。まさかこの時、誰が野生の繁茂と滋養に調整が入ると予想できたか・・・
アグロドルイド
11.8%(431/3647)
ドルイドは翡翠だけではありません。ウンゴロ王者だったアグロドルイドも新カードを入れて活躍しました。蟲のドルイドは2/1/5挑発と2マナとは思えないステータスをしてます。しかも状況に応じては1/2猛毒に変身する事が出来るので大型挑発ミニオンを破壊できるチャンスがあります。クリプトロードは3/1/5とアグロ向けのステータスではありませんがミニオンを大量展開すれば破壊される事がないため他のミニオンを守れるという理由で採用されました。デッキパワーも強力でしたが翡翠ドルイドとアグロドルイド両方存在したため対戦相手はマリガンで困らせる事が出来ました。例えば翡翠ドルイド想定の場合先手必勝という事で全体除去をマリガンで返す(=アグロドルイドのやりたい放題)といった感じです。練気がバランス調整された後もパワー落ちたもののゴラッカ・クローラーを採用してテンポローグキラーとして騎士団環境中はずっと活躍しました。
・ このカード騎士団出身です!
高コストで断末魔という遅さから騎士団環境は全く活躍しませんでした。ぶっちゃけハズレレジェでした。しかしウィッチウッド環境(2018/5~)から魔女の刻という確定蘇生カードが登場した事により評価は一転。大型挑発ミニオンを合計で15体ぐらい復活して相手を絶望させました。自然への回帰をスタンダード落ちさせた1枚ともいえるでしょう。
2位:プリースト
19.7%(719/3647)
ラザカスプリースト
14.3%(523/3647)
縛鎖の"ラザ"とカザ"カス"を組み合わせたハイランダープリースト。バランス調整後で他のクラスが弱体化する中プリーストはノータッチだったのでNo1に君臨しました。戦い方は
↓
ヒーローパワーを使用しつつ予言者ヴェレン、思念撃破、聖なる一撃、光熱のエレメンタルを召喚する
これだけで
2(最初)
+
10(倍の思念撃破)
+
4(倍の聖なる一撃)
+
4×4(ヴェレンゴ後のヒロパ)
で最低32点ダメージが出るので装甲詰めないヒーローはゲームが終わる。それに低コスト呪文や影の幻視で思念撃破等を発見できれば更にダメージを出す事が可能となる。時には60点近いダメージを出す事も可能です。コンボが揃う前に仕留めよう!と思っても多数の除去カードが採用されているためそう上手くはいきません。当時最強カードだったボーンメア(7マナ)のカウンターとして影刈アンドゥインで楽に除去できたのもプリーストが強かった要因です。
・ このカード騎士団出身です!
大型ミニオンを復活させて戦闘したりマリゴスなど呪文ダメージミニオンを復活させて1ターンで大ダメージを与える事が出来ました。マナの踏み倒す象徴でもあり今後はこういうカードはご遠慮して頂きたいです
3位:ローグ
18.4%(671/3647)
テンポローグ
17.0%(619/3647)
※ボーンメアは当時7マナ
バランス調整後ラザカスプリーストの対抗馬として活躍したテンポローグ。ケレセス公爵は発売前評価は最低値でした。発売されてからもドルイドまみれの環境だったので全然活躍できませんでした。しかしドルイドが弱体化してからケレセス公爵の評価は一転。最速で召喚すれば後のミニオン全て+1/1が付与され2マナ払ってバナナ10本以上のパワーを発揮する事も珍しくありません。影隠れと合わせれば+2/2以上付与も可能で当時はケレセスステップという単語も登場しました。海賊パッチーズは当時突撃持ちだったので南海の船長等を召喚するとデッキから3/3以上で召喚されミニオンを一方トレードする事も出来ました。環境が固まるとボーンメアを絶対に発動したい事からケーアン・ブラッドフーフが採用され始めました。
・ このカード騎士団出身です!
当時は2マナ「武器に生命奪取を付与する(永続)」という効果。登場して1年ぐらいは全く使われませんでした。しかし天下一ヴドゥ祭初期(2018/12)にぶんどり部隊で安定して大逆の刃キングスベインを無限に装備し回復できるようになったため急遽上記の画像のような効果になりました。
4位:ウォーロック
7.6%(278/3647)
ズー
5.2%(191/3647)
※ボーンメアは当時7マナ
ボーンメアや屍山血河のグルダンといった高コストミニオンを採用したズーウォーロック。ケレセス公爵を採用したのが主流でしたので1マナと3マナミニオンが多いのが特徴です。ズーでありながら高コストカードが多いのでロングゲームになっても勝てるのが強みです。
・ このカード騎士団出身です!
状況によっては2マナで全体除去(断末魔も破壊)も出来るHS史上最強の全体除去。発動したらどのぐらいダメージが出るのか?&そもそも発動するのが正しいのか?という難しさがあったため冒涜算と言われるようになりました。騎士団環境のウォーロックは長期戦が苦手だったためそこまで活躍しませんでした。そう、あの時までは・・・
5位:メイジ
7.5%(273/3647)
クエストメイジ
3.2%(116/3647)
騎士団で登場した似姿により魔法使いの弟子を簡単に手札コピーできたのでクエストメイジが流行りました。当時はアイスブロックやコールドライトの託宣師といった凶悪カードがスタンダードで使用できたためいくら盤面で負けてても勝つことが出来ました。環境トップのラザカスプリーストの大ダメージコンボをアイスブロックで止める事が出来るのがポイントです。しかし挑発がないメイジではテンポローグに勝つことが出来ません。理由は凍結だけではローグの武器、突撃、ダメージが出るカードを止める事が出来ないからです。
テンポメイジ
2.1%(77/3647)
※マナワームは当時1マナ
※ボーンメアは当時7マナ
歴史あるテンポメイジですが騎士団環境ではミニオン主軸とした型が主流でした。ミニオン主軸にする理由は7マナボーンメアが強かったからです。他のアグロデッキと違い全体除去を受けても呪文でダメージを与える事が出来るのが特徴です。当時は爆発のルーンが存在してなかったためスペルベンダーかアイスブロックを採用してました。
・ このカード騎士団出身です!
騎士団環境のメイジはアグロとクエストしか存在しなかったためヒーローカードの活躍の場はありませんでした。しかし時が経つにつれてコントロール型メイジが流行りこのジェイナも最強カードに変貌しました。雄叫び効果こそ地味ですが毎ターンウォーターエレメンタルをヒーローパワーで召喚できる事から無限リソース(=無限にミニオンが出てくる)ゲームとなりました。
6位:パラディン
5.0%(184/3647)
マーロックパラディン
2.1%(77/3647)
※ボーンメアは当時7マナ
有徳の守護者や躯の駆り手といった聖なる盾ミニオンを採用したマーロックパラディン。環境前半はストームウォッチャーを採用して短期決着、環境後半はローグ対策にゴラッカ・クローラーを採用してました。ワンターンキルコンボや無限リソースの前に勝負を決める必要がある事からトゥルー・シルバーチャンピオンより勝鬨の剣が優先され始めました。この頃は比較的高コストミニオンが多かった事から神聖なる恩寵は未採用でした。
・ このカード騎士団出身です!
2/2のヒーローパワーで4種類の騎士を召喚すれば勝利と普通に考えれば揃うわけありません。実際に活躍したのは天下一ヴドゥ祭後半(2019/2頃)とかなり時間がかかりました。今となっては理解不能ですが発売前評価で一番高評価だったヒーローカードはパラディンでした。発売前は長期戦になった時のヒーローカードのパワーが予想できなかったため雄叫び効果が強力なパラディンに注目が浴びたと考えられます。
7位:シャーマン
4.4%(160/3647)
進化シャーマン
4.0%(146/3647)
※炎の舌のトーテムは当時2マナ
騎士団環境からシャダウォックが活躍するまで約9か月間シャーマンは長い冬を過ごす事になりました。理由は序盤で活躍する優秀なミニオンが存在せず、長期戦に強いコンボが無かったからです。進化が上手く決まれば序盤から最強ムーブを仕掛ける事が出来ますが優秀な序盤ミニオンが海賊、ファイアフライ、原始フィンのトーテムぐらいしかなく、序盤から盤面を制圧できるかと言われると怪しいレベルでした。
・ このカード騎士団出身です!
無し。凍結とはなんだったのか・・・
8位:ウォーリア
4.0%(145/3647)
海賊ウォーリア
3.0%(110/3647)
※烈火の戦斧は当時2マナ
ウンゴロとあまり変化がない海賊ウォーリア。ケレセス公爵やぶんどり幽霊船員といった騎士団カードがチラホラ採用される程度。前半は翡翠ドルイドに対して短期決着を狙うも拡がりゆく虫害(5マナ)か翡翠の巨像といった挑発ミニオンを引かれた瞬間に攻撃が通らなくて負け、後半はテンポローグが流行したためゴラッカ・クローラーの被害をモロに喰らう事から騎士団環境のウォーリアは不遇でした。ちなみに烈火の戦斧が2マナ→3マナに変わったのも騎士団環境。ウォーリアを代表するカードでありこのカードを最速で装備するかしないかで勝率が大幅に変わるためウォーリアの歴史を変えた時期でもあります。
・ このカード騎士団出身です!
稀にミルウォーリアで活躍。死人の手札が2枚手札に存在する時に発動すればデッキが切れを起こす事がないので超長期戦に持ち込む事が出来ました。しかしこの頃はコントロールウォーリアが弱く、ウィッチウッド(2018/4)からは奇数コストカードしか使われなかったため効果の割にはそこまで活躍しませんでした。いやぁ、本当によかった
9位:ハンター
3.5%(126/3647)
ミッドレンジハンター
3.2%(118/3647)
ウンゴロに引き続き騎士団でもハンターは不遇でした。短期決着を狙うにも優秀な1マナ獣ミニオンが少なかったためわざわざハンターを使う必要が無かったからです。ミニオンを展開しにくい代わりにサメグマやビタータイド・ヒドラと言った場持ちのいいミニオンが採用されてます。死線の追跡者レクサーは"まだ"必須枠ではありませんでした。
・ このカード騎士団出身です!
雄叫び効果だけで聖別(4マナ)と5装甲獲得(1マナ)なので5マナ分の効果があるのでアグロからコントロールまで大活躍。1度変身したら毎ターン強力ミニオンを手札に加える事が出来るのでこのカード1枚でコントロールウォーリアの除去を全て受けきる事が出来るインチキカードです。しかし発売当初はそこまで活躍してませんでした。何故ならハンター自体が弱かった事もありますが仕様により2018/6頃まで生命奪取持ち獣ミニオンが作成できなかったためです。時が経つにつれアグロらしいデッキが減る一方なのでこのカードの評価は鰻登り。スタンダード落ち前になると「スタンダードで一番強いかもしれないカード」クラスになりました。
中立
実装当時は7マナ。あまりの強さに発売前はソロモードでリッチキング(ボス)が使うカードではないか?と言われた程です。発売後もボーンメアの評価は変わらずアグロ~ミッドレンジデッキにほぼ100%採用されました。ボーンメアされたらボーンメアで返すシーンはよくありました。強力でありながら
・7マナと高コスト
・他にミニオンが存在しないと効果発動できない
とから強力すぎる効果の割にはそこまで不満の声はなかった気がします。ランク戦より闘技場の方がやばかったらしいです。当時の闘技場のシステムはレア度で出現率が決まっていたためボーンメア何枚ピック出来るか選手権と化したらしいです。
ゲームを何度も壊した公爵。しかし発売前評価は☆1まみれでした。2コスト入れられないとか事故するでしょwwwみたいな評価ばかりでした。しかし蓋を開けてみたら一転。ケレセス公爵がスタンダードに存在してた時は強力な2マナミニオンがそこまで存在しなかったためケレセスを最速で出したら勝ち!という試合が何度も発生しました。ここまで強力なのに一度も調整入らなかったのが奇跡ですね
当時はコピーを召喚する効果でした。4マナで2/3挑発を2体召喚するだけでも強力ですが手札に存在するこのカードを強化する事で4マナとは思えないパワーを発揮しました。ケレセス公爵でパワーアップしてれば4マナ3/4を2体召喚で普通のデッキであればサロナイト鉱山の奴隷1枚でゲームに勝つことが出来ました。調整が入った決まり手はシャダウォックです。詳しくは半年後のタイムスリップ記事で・・・
実装当時は翡翠の偶像を破壊しよう!と公式から案内がありましたが全く役に経ちませんでした。使われ始めたのは自然への回帰やジャスパーの呪文石といったドルイド対策のために偶数デッキが採用し始めました。細かい所だとプリーストの聖なる一撃、シャーマンの進化、ハンターの死にまねといったカードを破壊できるのも強いですね。
騎士団環境の出来事
発表炉端の集い機能実装!(8/18発表)
HSオフラインイベント"炉端の集い"が今のシステムになったのは騎士団環境初期。炉端の集い専用のゲームモードなどが実装されました。
バランス調整(9/5発表)
ドルイド全盛期を改善するために発売1か月も経たずにカード調整の発表がありました。練気や拡がりゆく虫害といったドルイドカードの他にも呪術、烈火の戦斧、マーロックの戦隊長にも修正がかかりました。この頃から今まで以上に基本・クラシックカードに修正が入るようになり色々と話題になりました
ソーシャル機能追加(10/6発表)
HSゲーム外でもbattle.netからチャットが見れるようになりました。
熱狂する火霊術師等の処理変更(10/13発表)
2017/9までは空の盤面から呪文で熱狂する火霊術師が召喚された時、全体1ダメージが発生してました。一見して分かりにくい処理だったため今後は発動時に存在しなかった場合は全体1ダメージが発生しなくなりました。他にも変更点がありますので詳しくは動画をご覧ください
夏季選手権(10/14開催)
騎士団環境の王者を決める夏季選手権が開催されました。日本からはuya選手が出場しました。uya選手が持ち込んだケレセス公爵が採用されたアグロパラディンが世界中で注目となり大会終了後にケレセス公爵が流行りだしたきっかけになりました
ネムシー登場(10/18適用)
炉端の集いに参加して炉端の喧嘩をプレイするとウォーロック新スキンネムシーが手に入るようになったのもこの時期
ハロウィンイベント(10/24開催)
2つのヒーローを使うデュアルクラス闘技場などのハロウィンイベントが開催され始めたのは騎士団環境から。その他にも特殊な酒場の喧嘩やコンテストなども行われました
通貨が日本円に変更(11/17適用)
2017/10までゲーム内及びBATTLE.NET上でHSの商品を購入する時$表記でした。この変更により価格表示が日本円になりました。
世界選手権(11/18開催)
2017年の王者を決める世界選手権が開催。この頃の大会環境はラザカスプリーストとドルイド(アグロor翡翠)が大活躍しました。60点近くあるドルイドの総体力をプリーストが1ターンで全て削り切った時はもの凄く盛り上がりました。
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